マンジャロの副作用とは?症状別の原因・対処法といつまで続くかを医師が解説

GLP-1(マンジャロ・リベルサス・ウゴービ)
マンジャロの副作用

マンジャロの副作用|吐き気・下痢・便秘の頻度と対処法、いつまで続くかを解説

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、GIPとGLP-1の2つの受容体に作用する週1回の注射薬です。日本で承認されている効能は2型糖尿病ですが、体重が減りやすいことから医療ダイエットでも使われています。

使い始める前に多いのは、「副作用はどのくらいの割合で出るのか」「吐き気はいつまで続くのか」「どんな症状が出たら受診すべきか」という疑問です。副作用の中心は消化器症状で、多くは軽度から中等度ですが、まれに急性膵炎など重い症状も報告されています。

本記事では、添付文書と国内臨床試験の数値をもとに、発現頻度、症状別の対処法、続く期間、受診が必要なサインをお伝えします。内容はMBDクリニックの医師が監修しています。

確認したいポイント結論詳細
マンジャロの副作用はどのくらいの頻度で起こる?吐き気は国内試験で約12〜20%に出現国内第3相試験の悪心は5mgで11.9%、15mgで20.0%でした。大半は軽度から中等度で、用量が上がるほど出やすくなります。
副作用はいつまで続く?吐き気は数日、便秘は数か月続く例も国内試験での持続期間は、悪心が中央値2〜3日、便秘は55〜121日でした。増量した直後は、症状が再び出ることがあります。
どんな症状が出たらすぐ受診すべき?激しい腹痛・黄疸・呼吸困難は即受診急性膵炎、胆嚢炎、低血糖、アレルギー反応などの可能性があります。自己判断で様子を見ず、医療機関に連絡してください。

この記事でわかること

  • マンジャロの副作用の種類と、添付文書にある発現頻度
  • 吐き気・下痢・便秘など症状別の原因と対処法
  • 抜け毛・眠気・筋肉量の減少・生理不順が起こる理由
  • 副作用が出る時期と、いつまで続くかの目安
  • すぐに受診が必要な重篤な副作用のサイン

マンジャロの副作用が起こる仕組み

マンジャロは、インスリンの分泌を促し、食欲を抑え、胃から食べ物が出ていく速度を遅くする薬です。胃や腸の動きがゆるやかになる作用が、吐き気、胃もたれ、便秘、下痢といった消化器症状の主な原因になります。

食べ物が胃に長くとどまるため、少量で満腹になる反面、体が慣れるまでは胃がむかつきやすくなります。この負担を減らすために、2.5mgから始めて4週間ごとに段階的に増やす用量設計が採られています。

肥満治療薬ごとの作用の違いは、肥満治療薬の種類と特徴で比較しています。


マンジャロの副作用の頻度一覧

副作用の頻度は、添付文書で5%以上、1〜5%未満、1%未満の3区分で示されています。日本イーライリリーの医療関係者向け情報に掲載された添付文書の内容を、区分ごとに整理しました。

添付文書に記載された副作用の頻度

5%以上に分類される副作用は、すべて消化器症状です。注射部位反応や疲労は1〜5%未満、心拍数の増加や胆石症などは1%未満とされています。

頻度主な副作用
5%以上悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退
1〜5%未満腹部膨満、胃食道逆流性疾患、おくび、注射部位反応(紅斑・そう痒感・疼痛・腫脹)、疲労、体重減少、膵アミラーゼ増加、リパーゼ増加
1%未満鼓腸、胆石症、心拍数増加、低血圧、血圧低下、糖尿病網膜症、過敏症(湿疹・発疹)、味覚不全、異常感覚

この区分は2型糖尿病の方への投与で得られた結果に基づいており、体重管理を目的とした使用で同じ割合になるとは限りません。

重大な副作用の頻度

重大な副作用は頻度が低い一方で、発症すると入院が必要になる場合があります。急性膵炎と胆管炎は0.1%未満、そのほかは頻度不明とされています。

頻度副作用
0.1%未満急性膵炎、胆管炎
頻度不明低血糖、胆嚢炎、胆汁うっ滞性黄疸、アナフィラキシー、血管性浮腫、イレウス

それぞれの症状とサインは、「すぐに受診が必要な重篤な副作用のサイン」の見出しで説明します。

国内臨床試験での吐き気・下痢・便秘の割合

2型糖尿病の日本人を対象にした国内第3相試験(SURPASS J-mono)では、悪心が5mg群で11.9%、10mg群で19.6%、15mg群で20.0%に見られました。胃腸の副作用が出た人のうち、最も強い症状が軽度または中等度だった割合は98.7〜100%です。

副作用(単位:%)5mg群10mg群15mg群
悪心11.919.620.0
嘔吐8.25.111.9
下痢17.08.911.3
便秘15.117.713.8

併用療法を調べた別の国内試験(SURPASS J-combo)でも、悪心は5mg群9.5%、10mg群13.6%、15mg群27.0%でした。悪心は用量が上がるほど出やすくなる傾向があります。数値の出典は日本イーライリリーの胃腸関連有害事象の資料です。


症状別の原因と対処法

消化器症状は胃腸の動きが変わることで起こり、症状ごとに原因と対処の方法が異なります。当てはまる症状から確認してください。

吐き気・嘔吐

吐き気は最も多い副作用で、胃の排出が遅くなることで起こります。注射後1〜3日に強まりやすく、初回投与と増量の直後が特に出やすい時期です。

  • 1回の食事量を減らし、食事の回数を分けて、よく噛んでゆっくり食べる
  • 揚げ物や脂身の多い肉、刺激物は、注射の当日と翌日に控える
  • 食後すぐに横にならず、しばらく座って過ごす
  • 冷たい飲み物を避け、常温の水を少量ずつこまめに飲む
  • 注射を就寝前や休前日の夜に打ち、症状が強い時間帯を休息にあてる

水分がとれないほど強い場合は、医師に相談して吐き気止めの処方を検討してもらいます。消化のよい食事の選び方は、痩せる朝食の選び方も参考になります。

下痢

下痢は腸の動きが変わることで起こり、国内試験での持続期間は中央値で2〜5日でした。体の水分が失われやすいため、脱水を防ぐことが対処の中心になります。

  • 水分と塩分を少量ずつ補給する(経口補水液も使えます)
  • 脂質の多い食事、辛い食べ物、アルコールを控える
  • 市販の下痢止めは自己判断で使わず、先に医師へ相談する

血便、発熱、水分がとれない状態が続くときは、早めの受診が必要です。プロテインが下痢の一因になる場合もあるため、プロテインで下痢になる理由と対策もあわせて確認してください。

便秘

便秘は、食事量と水分の減少に腸の動きの低下が重なって起こります。国内試験の持続期間は中央値で55〜121日と、ほかの消化器症状より長引く傾向があります。

  • 水分をこまめにとる
  • 野菜、海藻、きのこなどの食物繊維を食事に加える
  • ウォーキングなどの軽い運動を取り入れる

数日間排便がなく、腹部の張りや嘔吐を伴う場合は、腸閉塞の可能性があります。市販の下剤を続ける前に、処方した医師へ相談してください。

腹痛・胃もたれ・食欲低下

胃もたれや腹部の張りは、食べた物が胃に残る時間が長くなるために起こります。食事量と内容を調整すると、軽くなる場合が多くあります。

食欲低下は薬の作用でもありますが、食事量が極端に減ると、栄養不足と倦怠感につながります。食べられない日は、スープやヨーグルト、プロテインなど口にしやすいもので、たんぱく質を少量でも補ってください。強い腹痛が続く場合は、後述の受診サインを確認します。

頭痛・倦怠感・めまい

頭痛や倦怠感は、食事量の減少による脱水やエネルギー不足が主な原因と考えられています。添付文書では、頭痛とめまいは低血糖の症状として記載され、疲労は1〜5%未満の副作用です。

水分補給と、少量でも糖質とたんぱく質を食事でとることが基本の対処です。冷や汗、手の震え、動悸を伴う場合は低血糖の可能性があるため、糖質を含む飲み物や食品をとって安静にします。

注射部位の赤み・かゆみ

注射した部位の赤み、かゆみ、痛み、腫れは1〜5%未満の副作用で、多くは数日で目立たなくなります。毎回同じ場所に打たず、腹部・太もも・上腕の中で場所を順番に変えることで防ぎやすくなります。

赤みやしこりが残る部位は避けて打ちます。赤みが広がる、熱をもつ、痛みが強くなるときは連絡してください。打つ場所の選び方は、マンジャロを打つ場所の選び方と正しい打ち方で説明しています。

吐き気や便秘などの症状でお困りの方へ
MBDクリニックで処方を受けた方は、使用後の体調の変化をLINEで相談できます。治療を迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。

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抜け毛・眠気・筋肉量の減少・生理不順は副作用なのか

抜け毛、眠気、筋肉量の減少、生理不順は、添付文書の副作用一覧に独立した項目としては記載がありません。急な体重減少や食事量の低下をきっかけに、間接的に起こる変化として相談が寄せられます。

抜け毛

体重が短期間で大きく減ると、髪の成長期が早く終わって休止期に入る「休止期脱毛」が起こることがあります。原因は薬そのものよりも、栄養不足とエネルギー不足の影響が大きいと考えられています。

たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンDを意識して食事でとり、減量のペースを急がないことが対処です。栄養状態が整うと、数か月かけて回復することが多くあります。半年以上続く場合は、皮膚科への相談を検討してください。減量ペースの目安は、マンジャロで何キロ痩せる?期間・用量別の減量目安で確認できます。

眠気・気分の落ち込み

食事量が急に減ると、エネルギー不足から日中の眠気やだるさが出ることがあります。血糖が下がりすぎた状態では、集中力の低下や強い眠気を感じる場合もあります。

気分の落ち込みについては、現時点でマンジャロとの因果関係は確立していないとされています。3食のリズムを保ち、空腹の時間を長く作らないことが予防になります。落ち込みや不安、不眠が続くときは、薬だけの問題と決めつけず、医師に相談してください。使用した方の声は、マンジャロの口コミ・体験談で紹介しています。

筋肉量の減少

体重の減少には、脂肪だけでなく筋肉も含まれます。食事量の減少でたんぱく質が不足すると、筋肉の合成が追いつかず、基礎代謝の低下やリバウンドにつながります。

適正体重1kgあたり1.0g以上のたんぱく質を目安にとり、軽い筋力トレーニングやウォーキングを続けることで、筋肉量を保ちやすくなります。加齢や栄養不足で筋肉が急に減る状態はサルコペニアと呼ばれ、厚生労働省 e-ヘルスネットでも説明されています。

体脂肪率と見た目の関係は体脂肪率と見た目の関係とは、プロテインと肝臓への影響はプロテインは肝臓に悪い?で説明しています。

生理不順

体脂肪率が短期間で大きく下がると、女性ホルモンの分泌に影響して、月経周期が乱れたり、一時的に止まったりすることがあります。減量のペースが速すぎるサインとして受け止めてください。

減量のペースは医師と相談して調整し、3か月以上生理が来ない場合は婦人科を受診します。マンジャロは胃の動きを遅くするため、経口避妊薬などの飲み薬の吸収に影響する可能性があります。服用中の薬は、診察時に必ず伝えてください。


マンジャロの副作用はいつまで続く?

副作用には、出やすい時期と続く期間にパターンがあります。時期と、症状ごとの期間に分けて確認します。

副作用が出やすい時期

副作用が出やすいのは、初回投与の後と、用量を増やした直後です。国内試験でも、悪心、嘔吐、下痢、便秘の発現は、用量を増やしていく期間に最も高くなっていました。

1回の注射でみると、症状は注射後1〜3日にピークを迎え、その後は和らぎます。体が薬に慣れると、同じ用量でも症状が軽くなっていく経過をたどる方が多くいます。増量で症状がぶり返しても、数日から数週間で落ち着くのが一般的です。

症状ごとに続く期間の目安

国内第3相試験(SURPASS J-mono)で、副作用が出た人の症状が続いた期間は、中央値で次のとおりでした。

副作用5mg群10mg群15mg群
悪心2日3日3日
嘔吐1日1日1日
下痢5日2日2日
便秘115日121日55日

吐き気、嘔吐、下痢は数日で治まる一方、便秘は数か月続く場合があります。症状が2週間以上続く、水分や食事がとれない、仕事や家事に支障が出るときは、我慢せず処方した医師に相談してください。

症状の程度や続く期間には個人差があります。消化器症状が2か月以降も残る場合は、用量の見直しや補助薬の検討が行われます。

副作用の出方や用量に不安がある方は増量のタイミングや用量の調整など、気になる点を診察で相談できます。どんな不安でもお気軽にご相談ください。

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副作用を減らすための注射の進め方

副作用の強さは、用量の上げ方と注射のタイミングで変わります。続けやすくするための3つのポイントを説明します。

✅用量を急がず段階的に増やす

マンジャロは2.5mgから始め、4週間ごとに体の反応を見ながら増量します。早く効果を出そうと自己判断で増量すると、副作用が強く出るおそれがあります。前の用量で症状が残っている場合は、医師と相談して増量を見送ったり、元の用量に戻したりできます。

✅注射のタイミングを工夫する

症状は注射後1〜3日に強まりやすいため、金曜や土曜の就寝前に打ち、症状が出やすい時間帯を休日にあてる方法があります。増量した直後の週は、予定を詰めすぎないようにすると安心です。

✅医師に相談する目安

我慢せずに相談してほしいのは、2週間以上症状が続く場合、水分がとれないほどの吐き気や下痢がある場合、日常生活に支障が出る場合です。吐き気止めの処方、増量の見送り、減量、一時的な休薬といった選択肢があります。

自己判断で急にやめると、食欲が戻って体重が増えたり、糖尿病で使っている方は血糖の管理が乱れたりすることがあります。先に医師へ連絡してください。


すぐに受診が必要な重篤な副作用のサイン

次の症状がある場合は、注射を止めて速やかに医療機関に連絡してください。夜間や休日で連絡が取れないときは、救急外来を受診します。

嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛が特徴で、みぞおちから背中に痛みが広がります。頻度は0.1%未満ですが、膵炎と診断された場合は再投与しないことが添付文書に示されています。

右上腹部の痛み、発熱、皮膚や白目が黄色くなる黄疸が現れます。急激な体重減少で胆石ができやすくなるため、右上腹部の痛みが続くときは早めに受診してください。

冷や汗、手の震え、動悸、強い空腹感、意識がもうろうとする症状が出ます。マンジャロ単独では起こりにくい一方、インスリンやSU薬を併用していると起こりやすくなります。糖質を含む飲み物や食品をとって安静にし、改善しない場合は救急を受診してください。

全身の発疹やじんましん、顔・唇・のどの腫れ、息苦しさが現れたら、アナフィラキシーや血管性浮腫の可能性があります。呼吸困難や顔の腫れがあるときは、すぐに救急車を呼んでください。

高度の便秘、腹部の膨満、持続する腹痛と嘔吐は、イレウス(腸閉塞)のサインです。嘔吐や下痢で水分がとれず、尿の量が減る場合は、脱水から腎機能が悪化している可能性があります。どちらも早めの受診が必要です。


使用前に確認したい人と、適応外使用の注意点

安全に使うには、使用前の確認が欠かせません。申告が必要な人の条件と、適応外使用の注意点を説明します。

医師への申告が必要な方

以下に当てはまる方は、使用前に必ず医師へ伝えてください。

  • 膵炎や、胆石・胆嚢の病気の既往がある方
  • 甲状腺髄様がんの既往や家族歴、多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)がある方(動物実験で甲状腺腫瘍の報告があるため、慎重な判断が必要です)
  • 腎機能が低下している方、重い胃腸の病気がある方
  • インスリンやSU薬など、ほかの糖尿病薬を使っている方
  • 妊娠中、授乳中、または妊娠を希望している方

糖尿病薬の飲み方は、メトホルミンの正しい飲み方も参考になります。リスク全体は、マンジャロの危険性とはで説明しています。

適応外使用と医薬品副作用被害救済制度

マンジャロが日本で承認されている効能は2型糖尿病です。体重管理やダイエット目的の使用は適応外使用にあたり、医薬品副作用被害救済制度の対象にならない可能性があります。

肥満症を効能とする同一成分の薬には、ゼップバウンドがあります。個人輸入や診察のない入手は、偽造品や用量管理のリスクがあるため避け、副作用が出たときに相談できる医療機関で処方を受けてください。

自分が使えるか確認したい方は 既往歴や服用中の薬を確認し、医師が適応を判断します。
※当院ではBMI22以下の方へのマンジャロ処方は行っておりません。

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まとめ

マンジャロの副作用は、吐き気、下痢、便秘、食欲低下などの消化器症状が中心で、5%以上の頻度で見られます。多くは軽度から中等度で、投与開始と増量の直後に出やすく、体が慣れるにつれて落ち着きます。便秘のように数か月続く症状もあるため、期間の目安を知っておくと安心です。

対処は、食事量と内容の見直し、水分補給、注射タイミングの調整、段階的な増量が基本です。激しい腹痛、黄疸、呼吸困難、水分がとれない嘔吐や下痢があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。

MBDクリニックは、対面で診察したうえで処方し、使用後の体調の不安はLINEでも相談できます。副作用が心配な方は、治療を始める前にご相談ください。

本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療を推奨するものではありません。治療の開始や変更は、必ず担当医師にご相談ください。


この記事の監修医師

MBDクリニック監修医 / 医療法人社団東美会 理事長:麻生 泰医師

【経歴】
医療法人社団東美会 理事長 兼 東京美容外科 統括院長
慶應義塾大学 医学部大学院 医学博士号取得
日韓美容医学会学会長
日本形成外科学会
日本美容外科学会
日本マイクロサージャリー学会
日本抗加齢医学会

個人プロフィール

医療ダイエット監修医 麻生泰医師

医療ダイエット監修医 麻生泰医師