内臓脂肪レベルの平均は?年齢別・男女別の基準値と数値を下げる方法
体組成計を測定したら、内臓脂肪レベルが思ったより高くて驚いた。
健康診断で内臓脂肪を指摘されたけれど、自分の年代では何が平均的なのかわからない。
このような悩みを持つ方は少なくありません。内臓脂肪レベルは加齢とともに上がりやすい指標であり、20代と50代では平均的な目安が大きく異なります。
本記事では、年齢別・男女別の内臓脂肪レベルの目安や、数値が上がる原因、下げるための具体的な方法まで、医療ダイエットに携わる立場から解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
| 内臓脂肪レベルの平均は年代でどう違う? | 20代は低く、加齢とともに上昇しやすい | 男女とも30代以降に上がりやすく、特に男性は40代、女性は更年期以降に増加する傾向があります。 |
| 内臓脂肪レベルが高いとどんなリスクがある? | メタボや生活習慣病のリスクが高まる | 動脈硬化・糖尿病・高血圧など、複数の生活習慣病リスクが重なりやすくなるとされています。 |
| 内臓脂肪レベルは自分で下げられる? | 食事と運動の見直しで改善が期待できる | 食習慣や運動習慣の改善で対応できるケースが多く、難しい場合は医療のサポートも選択肢です。 |
この記事でわかること
- 内臓脂肪レベルの基本的な意味と皮下脂肪との違い
- 年齢別・男女別の内臓脂肪レベルの平均的な目安
- 内臓脂肪レベルが加齢とともに上がりやすい理由
- 内臓脂肪レベルを高いまま放置した場合に考えられるリスク
- 内臓脂肪レベルを下げるための食事・運動・生活習慣のポイント
内臓脂肪レベルとは?皮下脂肪との違いと基準値
内臓脂肪レベルとは、体組成計で表示される、お腹の中の腸のまわりに蓄積した脂肪の量を示す指標です。体組成計メーカーによって算出方法に違いはありますが、一般的には内臓脂肪の面積をもとに1から30程度の数値として表示され、数値が高いほど内臓脂肪が多く蓄積していることを意味します。健康診断や人間ドックでは指摘されなかったとしても、体組成計で確認すると内臓脂肪レベルがやや高めに出るというケースも珍しくありません。
内臓脂肪レベルの数値が示すもの
多くの体組成計では、内臓脂肪レベルの目安を「標準」「やや過剰」「過剰」の3段階で示しています。標準の目安はおおむね9以下、10から14はやや過剰、15以上は過剰とされることが一般的です。ただし、これはあくまで機器メーカーが設定した目安であり、体格や年齢によって適正範囲の感じ方は変わります。同じ数値であっても、筋肉量が多い方と少ない方とでは体への負担が異なる場合もあるため、数値だけを絶対的な指標として捉えすぎないことも大切です。数値そのものに一喜一憂するのではなく、継続的に測定して変化の推移を確認することが大切です。
内臓脂肪レベルと内臓脂肪面積の関係
内臓脂肪レベルは、腹部CT検査などで測定する内臓脂肪面積をもとに換算された数値です。内臓脂肪面積がおよそ10平方センチメートル増えるごとに、レベルが1段階上がるとされています。医療機関でCT検査を行う場合は、内臓脂肪面積100平方センチメートル以上が内臓脂肪型肥満の目安とされており、体組成計のレベル表示とあわせて確認すると、より正確に自分の状態を把握できます。
皮下脂肪との違い
体につく脂肪には、内臓のまわりにつく内臓脂肪と、皮膚のすぐ下につく皮下脂肪の2種類があります。内臓脂肪は代謝が活発で、比較的短期間で増減しやすい一方、皮下脂肪は蓄積・分解に時間がかかりやすいという特徴があります。男性は内臓脂肪が、女性は皮下脂肪がつきやすい傾向があるとされ、体型の変化の出方にも違いが見られます。皮下脂肪の特徴や落とし方について詳しく知りたい方は、男性の皮下脂肪の落とし方の記事もあわせてご覧ください。
【年齢別・男女別】内臓脂肪レベルの平均値の目安
年齢を重ねるほど、内臓脂肪レベルは上がりやすくなる傾向があります。ここでは、年代別に見られる一般的な傾向を整理します。あくまで目安であり、体格や生活習慣によって個人差があることを前提にご覧ください。
■20代・30代の平均的な傾向
20代は基礎代謝が比較的高く、内臓脂肪レベルも標準範囲におさまる方が多い年代です。ただし、20代後半から30代にかけては、仕事や生活リズムの変化にともなって運動量が減り、食生活が乱れやすくなることで、少しずつ数値が上がり始めるケースも見られます。飲み会や外食が増える時期でもあり、糖質や脂質の多い食事が続くと、自覚がないまま内臓脂肪だけが積み重なっていくこともあります。体重や見た目に大きな変化がなくても、内臓脂肪だけが増えている隠れ肥満の状態になっていることもあるため、注意が必要です。BMIと内臓脂肪の関係については、シンデレラ体重とは?BMI計算方法や健康リスクについての記事でも詳しく解説しています。
■40代・50代の平均的な傾向
40代以降は、男女ともに内臓脂肪レベルが上昇しやすい年代とされています。男性は基礎代謝の低下と筋肉量の減少が重なりやすく、40代でメタボリックシンドロームやその予備群に該当する割合が大きく増えることが、厚生労働省の調査でも示されています。仕事の責任が増えて座っている時間が長くなったり、付き合いでの飲酒機会が増えたりすることも、この年代で内臓脂肪が増えやすい要因のひとつです。女性は50代前後で迎える更年期を境に、女性ホルモンの分泌が低下することで内臓脂肪がつきやすくなる方が増える傾向があります。40代のうちから食習慣や運動習慣を見直しておくことが、50代以降の変化を緩やかにするうえで役立ちます。
■60代以降の平均的な傾向
60代以降は、筋肉量の減少や活動量の低下がさらに進みやすい年代です。若い頃と同じ食事量を続けていても、消費エネルギーが減っている分、内臓脂肪として蓄積されやすくなります。定年退職や生活環境の変化によって、日常的な活動量そのものが減ってしまう方も少なくありません。一方で、加齢による代謝の変化を理解したうえで食事内容や運動習慣を調整することで、数値の改善が期待できるケースも多くあります。年齢を理由にあきらめず、今の体に合った方法を見つけることが大切です。
女性は閉経前後で変化しやすい理由
女性の内臓脂肪は、閉経を境に増えやすくなることが知られています。これは、内臓脂肪の蓄積を抑える働きがあるとされる女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が、閉経前後から急激に減少するためです。更年期世代の体重管理について詳しく知りたい方は、更年期とマンジャロ|体重が落ちにくい時期の医療ダイエットを解説の記事も参考にしてください。
内臓脂肪レベルが年齢とともに上がる原因

内臓脂肪レベルが加齢とともに上昇しやすいのには、複数の要因が重なって影響しています。
1.基礎代謝の低下
基礎代謝とは、何もせずじっとしていても消費される、生命維持に必要な最低限のエネルギーのことです。基礎代謝は加齢とともに緩やかに低下していくため、若い頃と同じ食事量・生活習慣を続けていても、消費しきれないエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。
2.筋肉量の減少
筋肉は基礎代謝の中でも大きな割合を占めているため、加齢や運動不足によって筋肉量が減少すると、基礎代謝もあわせて下がりやすくなります。特に日常的に体を動かす習慣が少ない方は、年齢を重ねるほど筋肉量の減少が進みやすい傾向があります。
3.ホルモンバランスの変化
男性・女性ともに、加齢にともなうホルモンバランスの変化が内臓脂肪の蓄積に影響するとされています。女性は更年期にエストロゲンが減少することで内臓脂肪がつきやすくなり、男性も男性ホルモンの低下にともなって筋肉量が落ち、代謝が下がりやすくなります。
4.生活習慣の積み重ね
内臓脂肪の増加は、一度の暴飲暴食で決まるものではなく、日々の食事内容・運動量・睡眠・飲酒習慣などが長期的に積み重なった結果として現れます。忙しさから食事が不規則になったり、外食や中食に頼る機会が増えたりすることも、年齢とともに内臓脂肪が増えやすくなる一因です。ダイエットが長続きしない原因について詳しく知りたい方は、本当に効果のあるダイエットとは?食事・運動・医療の選び方もあわせてご覧ください。
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内臓脂肪レベルが高いまま放置するリスク
内臓脂肪レベルの高い状態が続くと、見た目の変化だけでなく、体の内側でもさまざまな影響が生じる可能性があります。
メタボリックシンドロームとの関係
内臓脂肪の過剰な蓄積は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の主な要因のひとつとされています。厚生労働省の調査では、メタボリックシンドロームが強く疑われる人と予備群と考えられる人をあわせた割合は、男性で30代の約2割から40代で4割以上に、女性で30代の約3%から40代で1割以上に増加することが報告されており、年齢とともに該当割合が大きく上昇する傾向が示されています(出典:厚生労働省 平成16年国民健康・栄養調査結果の概要)。
生活習慣病のリスク上昇
内臓脂肪から分泌される物質は、血糖値や脂質代謝に影響を与えることが知られており、内臓脂肪の蓄積が進むと、高血糖・脂質異常・高血圧といった状態が重なりやすくなるとされています。これらが複数重なることで、動脈硬化をはじめとする生活習慣病のリスクが高まる可能性があると考えられています。
見た目の変化と隠れ肥満
内臓脂肪が増えると、お腹まわりが目立つようになるだけでなく、体重やBMIが標準範囲であっても内臓脂肪だけが多い隠れ肥満の状態になっていることがあります。特に体重は若い頃とあまり変わらないのにお腹だけ出てきたという方は、筋肉量が減って内臓脂肪に置き換わっている可能性があるため、一度体組成を確認してみることをおすすめします。見た目の印象だけで自分の状態を判断してしまうと、内臓脂肪の増加に気づかないまま生活習慣病のリスクが進んでしまうこともあるため、定期的な数値の確認が予防の第一歩になります。
内臓脂肪レベルの正しい測り方・確認方法
自分の内臓脂肪レベルを正確に把握するには、いくつかの測定方法があります。
家庭用体組成計での測定
家庭用の体組成計は、手軽に内臓脂肪レベルを確認できる方法のひとつです。微弱な電流を体に流し、その抵抗値から体組成を推定する仕組みのため、数値はあくまで推定値である点を理解しておく必要があります。測定するタイミング(食後・入浴後・運動直後など)によって数値が変動しやすいため、毎回同じ条件で測定し、1回ごとの数値ではなく、長期的な変化の傾向を確認することが大切です。
医療機関でのInBody・CTなど精密測定
より詳細に体組成を把握したい場合は、医療機関で使用されているInBodyなどの高精度な体組成分析機器や、腹部CT検査による内臓脂肪面積の測定が有効です。家庭用体組成計に比べて測定精度が高く、筋肉量・体水分量・部位別のバランスなど、より詳しい情報を確認できます。
数値の見方と注意点
内臓脂肪レベルは、その日の体調や測定条件によって多少上下することがあります。1回の数値の高低で一喜一憂するのではなく、月に1から2回程度の頻度で継続的に測定し、数値の推移を確認する習慣を持つことが、自分の体の状態を正しく把握するうえで重要です。
内臓脂肪レベルを下げるための生活習慣改善
内臓脂肪は、皮下脂肪と比べて比較的つきやすく落ちやすい性質を持っているとされ、生活習慣の見直しによって改善が期待できる場合があります。
1.食事の見直しポイント
内臓脂肪を減らすためには、極端な食事制限よりも、3食のバランスを整えることが基本になります。食事を抜くと次の食事で血糖値が急上昇しやすくなり、かえって脂肪をため込みやすい状態を招くこともあります。糖質や脂質に偏った食事を見直し、たんぱく質や食物繊維を意識して摂ることで、血糖値の急上昇を抑えながら、筋肉量を保ちやすい食事内容に近づけることができます。野菜やきのこ、海藻など食物繊維の多い食品から先に食べる順番を意識するだけでも、血糖値の上がり方に変化が出やすくなります。朝食の摂り方を工夫することも、1日の代謝リズムを整えるうえで役立ちます。朝食の具体的なメニューについては、痩せる朝食とは?医師が教えるダイエット中の朝ごはん選び方・おすすめ和食メニューで詳しく紹介しています。
2.運動習慣の取り入れ方
内臓脂肪は、ウォーキングなどの有酸素運動によって減らしやすいとされています。1回30分程度の早歩きを週に数回続けるだけでも、変化を感じやすいという声もあります。加えて、筋力トレーニングを取り入れて筋肉量を維持・向上させることで、基礎代謝の低下を防ぎ、脂肪が蓄積しにくい体づくりにつながります。特別なジム通いをしなくても、スクワットや腹筋運動など自宅でできる種目を習慣化するだけで効果が期待できます。無理のない範囲で、日常生活の中に階段の利用や徒歩移動を取り入れるといった工夫も効果的です。
3.睡眠・生活リズムの整え方
睡眠不足や不規則な生活リズムは、食欲をコントロールするホルモンバランスを乱し、内臓脂肪の蓄積につながりやすいことが指摘されています。睡眠時間が短い日が続くと、食欲を高めるホルモンの分泌が増えやすくなり、間食や夜食に手が伸びやすくなるという報告もあります。毎日同じ時間に起床・就寝する、寝る前のスマートフォン使用を控えるといった工夫で、生活リズムを整えることも内臓脂肪対策のひとつです。あわせて、飲酒の頻度や量を見直すことも、内臓脂肪を増やさないための基本的なポイントのひとつといえます。
セルフケアで改善しない場合の選択肢(医療ダイエット)
食事や運動を続けても内臓脂肪レベルに変化が見られない場合、体質や代謝の状態に応じたアプローチが必要なケースもあります。
医療ダイエットでできること
医療ダイエットは、医師の診察と医学的な検査データに基づいて、痩せにくい原因そのものにアプローチする治療です。GLP-1/GIP受容体作動薬をはじめとする薬剤による食欲・代謝のコントロールに加え、管理栄養士による栄養指導を組み合わせることで、自己流の対策では届きにくい部分まで改善を目指せる点が特徴です。「食事に気をつけているのに数値が変わらない」「運動を続ける時間が取りにくい」といった方にとって、医学的な視点からのサポートは選択肢のひとつになります。薬剤を用いた治療の詳しい仕組みについては、ダイエット注射の効果とは?種類と仕組みを医師が解説で解説しています。
MBDクリニックのアプローチ
MBDクリニックでは、初診時にInBodyによる体組成測定を行い、内臓脂肪レベル・体脂肪率・筋肉量などを確認したうえで、20種類以上の医薬品カテゴリから、体質や痩せない原因に応じてオーダーメイドで治療プランを組み立てています。体重の増減だけでなく、筋肉量を維持しながら内臓脂肪を減らせているかどうかを、通院のたびに数値で確認できる点も特徴です。約2週間に1度の定期診察で経過を確認しながら、無理のないペースでの改善を目指します。保険適用の可否や治療の対象については、肥満外来とは?保険適用の条件・肥満症治療薬の種類をわかりやすく解説もあわせてご参照ください。
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まとめ
内臓脂肪レベルは、年齢を重ねるとともに上昇しやすい指標であり、20代と40代・50代では平均的な目安が大きく異なります。特に男性は40代、女性は更年期以降に数値が上がりやすい傾向があるため、自分の年代に応じた目安を知ったうえで、日々の変化を確認することが大切です。内臓脂肪レベルが高いまま放置すると、メタボリックシンドロームや生活習慣病のリスクが高まる可能性があるため、食事・運動・睡眠といった生活習慣を見直すことが基本の対策になります。それでも改善が難しいと感じる場合は、医師のサポートを受けながら、自分に合った方法で取り組むことも選択肢のひとつです。
この記事の監修医師
MBDクリニック監修医 / 医療法人社団東美会 理事長:麻生 泰医師
【経歴】
医療法人社団東美会 理事長
兼 東京美容外科 統括院長
慶應義塾大学 医学部大学院 医学博士号取得
日韓美容医学会学会長
日本形成外科学会
日本美容外科学会
日本マイクロサージャリー学会
日本抗加齢医学会
