防風通聖散の副作用とは?症状の種類・原因・飲み合わせの注意点を解説

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「市販で買えるから安全だと思っていた」
「飲み始めてから動悸がする・お腹が痛い」
「防風通聖散を長く飲み続けていて体に影響がないか不安」

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、ドラッグストアで「ナイシトール」「コッコアポ」などの商品名で購入できることもあり、「漢方薬だから副作用が少ない」と思って使い始める方が少なくありません。

しかし防風通聖散は18種類もの生薬を含む複合処方であり、体質・持病・他の薬との飲み合わせによっては、重大な副作用が起こる可能性があります。

本記事では、防風通聖散の副作用の種類・原因となる成分・飲み合わせの注意・長期服用のリスクについて、医療的な観点から解説します。


防風通聖散はなぜ副作用が起こるのか?

「漢方薬は天然だから体に優しい」というイメージがありますが、これは誤解です。防風通聖散には18種類の生薬が含まれており、それぞれが体内で薬理作用を持つ「医薬品」として機能します。

特に注目すべき成分が次の2つです。

成分主な薬理作用
麻黄(マオウ)交感神経刺激作用。エフェドリン類を含み、心拍数・血圧に影響
甘草(カンゾウ)諸生薬の調和。大量・長期摂取で「偽アルドステロン症」のリスク
大黄(ダイオウ)・芒硝(ボウショウ)瀉下作用(腸への刺激)。下痢・腹痛の原因となりやすい

これらは「薬として効果をもたらす成分」である一方、体質や服用量・他の薬との組み合わせによって副作用が出やすくなります。

また、防風通聖散は漢方医学的に「実証(体力がある・内臓脂肪型肥満・のぼせ・便秘)」の体質に向けた処方です。体質が合わない方(虚証・やせ型・胃腸が弱い方など)に服用した場合、副作用リスクが高まります。


防風通聖散の副作用:よく見られる症状

① 消化器系の症状(下痢・腹痛・軟便)

最も頻度が高い副作用です。大黄・芒硝(ボウショウ)の瀉下作用によって腸への刺激が強まり、下痢・腹痛・軟便が生じることがあります。

もともと胃腸が弱い方や下痢になりやすい体質の方は、服用を開始してすぐに症状が出ることがあります。便通が改善するのか、副作用として出ているのかの判断が難しい場合は、服用を中断して医師や薬剤師に相談してください。

② 動悸・頻脈・不眠・発汗過多

麻黄(マオウ)に含まれるエフェドリン類が交感神経を刺激するため、服用後に動悸・心拍数の増加・不眠・発汗過多が起こることがあります。

心疾患・高血圧・甲状腺機能亢進症のある方、カフェインを多く摂る方では症状が強く出やすいとされており、特に注意が必要です。

③ 偽アルドステロン症(むくみ・血圧上昇・低カリウム血症)

甘草(カンゾウ)の長期・過量摂取によって引き起こされる副作用で、「偽アルドステロン症」と呼ばれます。

主な症状として以下が知られています。

  • 体のむくみ・体重増加
  • 血圧の上昇
  • 低カリウム血症(手足のしびれ・筋力低下・倦怠感)
  • 頭痛

甘草は多くの漢方薬に含まれているため、他の漢方薬(葛根湯・八味地黄丸など)と重複して服用すると、摂取量が過剰になり偽アルドステロン症のリスクが高まります。

④ 重大な副作用(まれ・重篤)

頻度は低いものの、以下の重大な副作用が報告されています。

副作用主な症状
間質性肺炎咳・息苦しさ・発熱
肝機能障害・黄疸吐き気・食欲低下・皮膚や白目の黄変・倦怠感
ミオパチー筋肉の痛み・こわばり・脱力感
腸間膜静脈硬化症繰り返す腹痛・便秘・下痢・腹部膨満

これらの症状が現れた場合は、ただちに服用を中止し医療機関を受診してください。特に腸間膜静脈硬化症は長期服用(数年〜10年単位)で起こることがあり、初期症状が軽微なため見逃しやすい点に注意が必要です。


防風通聖散の飲み合わせ:注意すべき薬

防風通聖散は複数の生薬を含むため、他の薬との飲み合わせには十分な注意が必要です。

注意が必要な薬の種類主なリスク
他の漢方薬(甘草含有)甘草の過剰摂取 → 偽アルドステロン症リスク上昇
降圧薬・利尿薬カリウム値の変動。血圧・体液バランスへの影響
強心薬(ジゴキシンなど)麻黄の交感神経刺激作用との相互作用
甲状腺治療薬麻黄の作用と重複し、心拍数・血圧に影響
カフェインを多く含む飲料麻黄との相乗効果で動悸・不眠が強まる可能性

複数の薬やサプリメントを服用中の方は、必ず医師・薬剤師に確認したうえで使用してください。


長期服用のリスク

防風通聖散を長期的に継続する場合は、特に以下のリスクに注意が必要です。

偽アルドステロン症・低カリウム血症:甘草の蓄積的な影響により、服用期間が長くなるほどリスクが高まります。定期的な血液検査(カリウム値・肝機能)による確認が推奨されます。

腸間膜静脈硬化症:大黄などの長期服用によって腸の静脈が硬化する病態で、5年以上の継続服用で起こりやすいとされています。繰り返す腹部症状がある場合は、早めに消化器科を受診してください。

肝機能障害:長期服用で肝臓への負担が生じることがあります。倦怠感・食欲低下・黄疸などの症状が現れた場合は速やかに中止・受診が必要です。

自己判断で長期間服用を続けることは避け、定期的に医師のフォローを受けることが重要です。


服用を避けるべき・慎重に判断すべき方

防風通聖散は「実証」の方向けの漢方薬です。以下に該当する方は、服用前に必ず医師・薬剤師に相談してください。

  • 体力が少ない、やせ型(虚証)の方
  • 胃腸が弱く、下痢になりやすい方
  • 高血圧・心疾患・甲状腺疾患のある方
  • 他の漢方薬を服用中の方
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 高齢で筋力が低下している方

体質に合わない場合、効果が出ないだけでなく副作用が出やすくなります。「漢方だから大丈夫」という思い込みは禁物です。


副作用が出た場合の対処

服用中に以下のような症状が出た場合は、服用を中止して医師・薬剤師に相談してください。

  • 下痢・腹痛が続く、または強い
  • 動悸・胸の不快感・不眠が続く
  • 手足のしびれ・むくみ・脱力感が出てきた
  • 息苦しさ・発熱・咳が続く(間質性肺炎の疑い)
  • 皮膚や白目が黄色くなる(肝機能障害の疑い)

市販薬であっても、副作用が疑われる場合は「自己判断で様子を見る」のではなく、早めに医療機関を受診することが重要です。


まとめ

防風通聖散は内臓脂肪型肥満に一定の根拠がある漢方薬ですが、18種類の生薬が含まれる医薬品である以上、副作用は必ず存在します。

  • よくある副作用:下痢・腹痛・動悸・発汗過多・むくみ
  • 重大な副作用(まれ):間質性肺炎・肝機能障害・ミオパチー・腸間膜静脈硬化症
  • 飲み合わせリスク:他の漢方薬・降圧薬・強心薬との重複使用
  • 長期服用:偽アルドステロン症・腸間膜静脈硬化症リスクが高まる
  • 体質が合わない方は効果が出ないだけでなく副作用が出やすい

「市販で買えるから安全」という思い込みを見直し、服用前・服用中は医師・薬剤師への相談を習慣にしてください。

※なお、MBDクリニックでは防風通聖散の処方は行っておりません。


よくある質問(FAQ)

Q1. 防風通聖散の副作用で最も多いものは何ですか?
頻度が高い副作用は、大黄・芒硝による消化器系への刺激(下痢・腹痛・軟便)と、麻黄のエフェドリン類による動悸・発汗過多・不眠です。胃腸が弱い方や「虚証」体質の方では特に起こりやすいとされています。

Q2. 防風通聖散と他の漢方薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか?
注意が必要です。防風通聖散に含まれる甘草は多くの漢方薬にも含まれており、重複すると「偽アルドステロン症(むくみ・血圧上昇・低カリウム血症)」のリスクが高まります。複数の漢方薬を同時に使用する場合は、必ず医師・薬剤師に確認してください。

Q3. 防風通聖散はどのくらいの期間まで飲んでも安全ですか?
明確な上限はありませんが、長期服用(特に5年以上)では偽アルドステロン症・腸間膜静脈硬化症・肝機能障害のリスクが高まるとされています。長期服用する場合は定期的な血液検査と医師によるフォローが推奨されます。

Q4. 防風通聖散で動悸がしたらどうすればいいですか?
服用をいったん中止し、症状が続く場合は医師・薬剤師に相談してください。麻黄に含まれるエフェドリン類が交感神経を刺激することが原因の可能性があります。心疾患・高血圧・甲状腺疾患のある方は服用前に医師に確認することが重要です。

Q5. 防風通聖散を飲んでお腹が張る・便秘になった。なぜですか?
大黄・芒硝の瀉下作用で一時的に腸の動きが変化したり、長期服用で腸の運動機能に影響が出るケースがあります。長期服用中に繰り返す腹部膨満・腹痛がある場合は、腸間膜静脈硬化症の可能性もあるため、消化器科への受診をおすすめします。

Q6. MBDクリニックでは防風通聖散を処方していますか?
当院では防風通聖散の処方は行っていません。InBody測定と食習慣ヒアリングをもとに、20種類以上の薬剤カテゴリーから体質・肥満タイプに合わせた個別処方を行っています。防風通聖散で効果を感じられなかった方・副作用が心配な方も、ぜひ無料カウンセリングをご利用ください。

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この記事の監修医師
MBDクリニック監修医 / 医療法人社団東美会 理事長:麻生 泰医師

【経歴】
医療法人社団東美会 理事長
兼 東京美容外科 統括院長

慶應義塾大学 医学部大学院 医学博士号取得
日韓美容医学会学会長
日本形成外科学会
日本美容外科学会
日本マイクロサージャリー学会
日本抗加齢医学会